私立高校選択の注意点 その2
次に気をつけなければならないのは、進学クラスでは、大学の推薦入試を受けさせない高校も多いということです。進学実績をつくるために、指定校推薦の枠は他の実力のない生徒にまわして、実力のある進学クラスの生徒には、一般受験で成果を出してもらおうという判断からです。
うちの生徒で、中高一貫のそこそこの進学校に通っていた高校生が、成績が良いので進学クラスに入れられていたのですが、早稲田の指定校推薦がもらえる基準を満たしているにもかかわらず、推薦がもらえませんでした。進学クラスに在籍していることが推薦をもらえない理由です。その生徒は早稲田を一般受験して受からず、結局浪人することになってしまいました。
このあたりのことは、高校の入学案内や、ホームページには、記載されていません。直接その高校の問い合わせるか、その高校の説明会で聞くか、またはお知り合いでその高校に通っている生徒がいるなら、その人に聞くかしてください。そういう時は中学の先生はあまりあてにできません。中学の先生は、たくさん生徒をかかえているので、そこまで手がまわらないのが普通です。自分でしっかり調べなければなりません。
次に指摘したいのが、私立高校では、進学実績を上げることに熱心なために、正規の授業のほかに、過剰のカリキュラムを組んでいることです。これは賛否両論ありますが、私の見るところあまり効果がありません。ただでさえ正規の授業で生徒がが疲れているのに、その上にまた授業を受けさせるのは、良い面より弊害のほうが大きいと思います。高校によっては、予備校の講師を呼んで授業をさせるところもありますが、ならば正規の授業を担当させればいいのです。これを宣伝に利用している高校がありますが、どうみても保護者うけをねらっているとしか、私には映りません。
ただし、これはあくまで私の意見です。場合によっては生徒にプラスのこともあるでしょう。放課後自習の時に、その高校のOBが来て、勉強をみてくれるという高校がありました。これはナイスフォローです。だからこのことも一色単に見ないで、自分でよく調べてください。
私立高校は、各校によってかなり事情が違います。入学してから後悔しないように、前もって十分調査してから受験校を選定してください。私立校選択にあたって、他にも気がついたことがあったら、またブログにアップします。注意してみていてください。
(指定校推薦とは、その高校で、一定の基準を満たしている生徒は無条件で指定された大学に進学できる制度。大学側から高校側に入学できる人数が指定される。多くても一つの大学では各高校2人まで。普通は高校の成績上位の者から、有名大学の推薦枠が順番に埋まっていく)