受験のメンタル
先日ネット番組に出演していた科学者の武田邦彦先生が生物のある習性について話していました。それによれと種の保存が最も重要である動物の本能は、個を保存させることより種全体の保存の方が優先されるそうです。TVなどでアフリカの平原を群れをなして移動しているウシ科の動物ヌーの映像を見たことがあると思いますが、群れ全体が生き残るために一頭一頭のヌーは進んで犠牲になるそうです。その時の死は苦痛はないそうです。武田先生がどういう根拠で苦痛がないと判定しているかわかりませんが、いずれにせよ種全体のためにすすんで犠牲になる個が多く存在するのが動物の本能だそうです。
これを受験勉強についてあてはめてみると、自分だけがいい思いをするために志望校に受かりたいというのでなく、両親のためとか、貧しい家庭であるなら年下の兄弟のために公立国立校に受かりたいとかの思いがあると、勉強に向かう姿勢が違ってくるのではないでしょうか。また幕末や明治の留学組は日本のためにどうしても西洋の学問を習得して帰らなければならないという強い気持ちが勉強のモチベーションを高めたに違いありません。
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とはいうもののなかなか個人の利益を超える目標を勉強の中心にすえるのは難しいと思います。ふだんから目的意識を大きなところに置き、高い志を持っていないとできないことだと思います。ほとんどの受験生にはそう考える習慣はないでしょうが、今からでも勉強の目的をよく掘り下げて考えてみてくだい。少しでも大きなものに自分の勉強がつながっているところを探してください。他のために人が動くとき最も力が出るのです。これは生物の本能なのです。
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入学審査はだれかが受かればだれかが落ちるのです。だからあなた以外の受験生が失敗してくれることを願いがちのですが、この思いはあなたの潜在力を削いでしまいます。
ゴルフの王者タイガーウッズは、決勝の最後のプレイこれで相手がパターをはずしたらウッズが優勝するというところで、ウッズは相手に「はずせ」と願わないで、「入れろ」と心の中で願うそうです。お互い最高のプレイをしようということです。さすが世界の王者ですね。受験もこれと同じですよ。
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