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叔父の戦場での勉強 6

前回のシリーズからの続きです。叔父は剣術や銃剣術が強かったです。復員してから(戦後)息子(私の従兄弟)が高校の剣道部にいるころそのクラブの顧問を勤めていて、その無名の剣道部をインターハイにまで出場するようにまで育てました。その時の叔父の指導方法ですが、部員がある程度強くなって自信がつくまで絶対に勝てる高校としか練習試合をさせませんでした。そうするともう部員たちは次の練習試合はいつなのか、まだかまだか待ち遠しくなり、うきうきして、からだも動かしたくてしかたなくなります。そうすると剣道の稽古もしたくてしょうがなくなり、自主的に熱心に稽古するようになります。そうすれば剣道の腕も上がるし、試合にも強くなります。人を育てるこの方法で叔父の軍隊時代には連隊ナンバーワンの狙撃兵をも育てました。これを受験勉強にあてはめてみると、単純で簡単だと思われる基礎を反復練習することだと、前回に書きました。今回もうひとつその剣道部の育て方ですごく参考になることがあるのでそれをお話します。

叔父は剣道部の顧問について、まず最初に優勝旗のもらい方の練習させました。これがこの剣道部での最初の稽古です。優勝するのが決まっているから優勝旗の受け取り方の練習をするということです。これは潜在意識に優勝することを記憶させる利にかなった方法です。オーストリアの精神科の医師フロイトの影響によって、最近(戦後)になって潜在意識の重要性が語られるようになりました。スポーツの世界でのイメージトレーニングも、この潜在意識を応用して成果を出す方法です。これを臨床心理学のことがまだ広まっていないこのころに、叔父が経験から導き出したのは驚くべきことです。

潜在意識の重要性について少し補足しておきます。人には普段意識している表面意思と普段は意識していない潜在意識があり、人の意識の大部分が潜在意識で占められます。なので表面意識でどれだけ決意しても、潜在意識がそれと反対の方向に向いていると、その表面意識で決意したことは絶対実現できないのです。人がなにかをを成就するためには、潜在意識にそのことを刻み込ませなければなりません。これは潜在意識に刻まれたことはどれだけ本人が表面意識で拒否していても実現してしまうということです。これは考えてみれば恐ろしいことです。〇〇大学や〇〇高校に合格するのだと決意していても、潜在意識がそれを拒否していれば、絶対に合格しないということです。でも逆にうまく利用できればこんなに便利なものはありません。潜在意識にうまく刻み込むことができれば自動的に実現するのですから。

ここでフロイトのした有名な実験を紹介します。クライアントに、フロイトが「私が手をポンと一回叩いたら、あなたは窓を開けます」ということを潜在意識に記憶させます。クライアントはこれを表面意識では気づいていません。なのにフロイトが一回ポンと手をたたくと、クライアントは窓を開けます。フロイトがどうして窓を開けたのですかとたずねると、空気をいれかえたっかったからとか、適当な理由を言って合理化するのです。潜在意識に人は逆らえないのです。

この潜在意識を受験に利用する方法ですが、合格したことをよくイメージする習慣をつけることです。そのために合格したい学校に行ってそこの学生になったつもりになって、その学校の雰囲気になじむことをしてください。これは直接勉強するより効果があるかもしれません。簡単なことなのでぜひ実行してください。

 

 

 

 

 

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