ひとところ前より今の方が就職に際して学歴の影響力が落ちてきていると私は感じていましたが、現実はそうではないようです。その手の調査をしている知人が言うには、学歴による就職の差別がさらに強くなっているそうです。それも2分化しているそうです。
またデーターを見る限り金持ちと貧乏人の格差も拡大しています。世の中がシャッフルされるような戦争のようなものがない限り、社会が安定すれば階級が固定していくのは、ある意味自然な流れかもしれません。金持ちはその既得権益を拡大し、貧しい人はそこから抜けるのが困難になってきているのです。まだまだ多くの日本人は自分が中流階級だと意識しているでしょうが、それでも以前に比べて格差が拡大しているのはデーターが示しています。
アメリカもかつては分厚い中流階級がありました。そこからのアメリカンドリームもあり、自由と可能性に満ちた魅力ある国でした。しかし今のアメリカは一部の大金持ちとその他大勢の貧乏人の国になってしまっています。かつての中産階級は没落してしまいました。トランプさんが大統領に選ばれたのも、その没落した中産階級の支持があったからです。大統領選挙でアメリカのマスコミの90パーセントが反トランプ報道をしたのにもかかわらずです。
世の中が平和で安定しているのはいいことばかりではありません。たとえば会社でも社長が何代目かになると、創業期のようなエネルギーがなくなり現状を守ることに専念しがちです。その場合人材採用も、無難な人を取りがちです。創業期の社長なら学歴などほおっておいて人物本位で採用しそうですが、サラリーマン社長や会社の組織の一部である人事課の人なら、無難な人材を取ります。その目安に学歴を重視するのです。
ただ日本はまだまだアメリカのような格差社会ではありません。中国はアメリカよりもっと格差が激しいです。ヨーロッパも日本より格差社会です。またアメリカではそこそこの大学を通うとなると、学費と生活費で年間400万~500万くらいかかります。それでも半分近くは卒業できません。お金のない学生はローンを組むわけですが、それを卒業後に返済しないといけません。日本の奨学金とは桁が違います。
そう考えると日本はまだまだ可能性に満ちた社会だと言えるのではないでしょうか。学歴だけがすべてではありませんが、我々日本人は勉強することによって得られるものが大きいのではないでしょうか。 (今回の話、みなさんが勉強するモチベーションアップに少しはなったでしょうか。)