インプット アウトプット 1 (英語)
私たちは、中学3年間高校3年間合計6年間、それに大学4年間を含めると、合計10年間も英語の勉強をしています。なのに日常の英会話すらできない人がほとんどです。その原因はやっぱり学校の英語教育に問題があります。学校の英語教育では、英語をインプットすることばかりしてきて、アウトプットすることをしていないからです。
もともと日本での英語の需要は、明治維新以降、西洋からすぐれた科学技術や思想を輸入することによって発生しました。その時に英語の文献を読解しなければならず、そのための英語の習得だったのです。文献を翻訳するための英語だから、海外に発信するような、英語でアウトプットすることはほとんどありませんでした。海外から色んなものを取り入れる、インプットのための英語でした。文献を翻訳するための、翻訳英語の需要がほとんどだったのです。
今でも大学の専門教育で、英語文献の読解の授業がたくさんあります。以前にも紹介しましたが、医学部に行った後輩が、『まるで文学部の英文科に行ったみたいだ』 とこぼしていました。医学の世界でも、英語の文献が読めないと、勉強にならないのでしょう。このような理由から、英語教育が読解中心の、英語をインプットする勉強に偏ってしまったのです。
でもこのインプット偏重の英語教育を改めて、英語で発信する、アウトプットするための、英語教育への要請が、さらに強まってきています。それで平成30年度から大学受験の英語の試験が大きく変わるようです。文部科学省のホームページによれば、国立大学の受験に、TOEICの試験結果をセンター試験代わりに利用できるようにするそうです。たとえば、TOEIC 780点でセンターの英語の点数を満点にする、という噂が流れています。今の高校生はあまり影響ないでしょうが、それ以下の学年の人は、今から英語のアウトプットを視野に入れた英語勉強を、しておく必要があるでしょう。
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