話はそれますが、文章力をつける手っ取り早い方法が、すぐれた文章の丸写しです。国語の教科書であなたが気に入った文章があれば、それを丸写ししてください。でもその前に音読ですね。選ぶ文章は国語の教科書の文章なら、間違いはないと思います。でも本当はあなたが好きな作家の、あなたの気に入った小説やエッセイを選んだ方がいいです。なによりも優先されるのが、著者も含め、あなたが惚れ込むことができる文章であることです。その文章を何度も音読し、その後に書き写してください。また好きな作家の本を何度も読み返してください。そうすれば国語力がグンと伸びます。同じ著作を繰り返し読むと、著者の表現や文章の構成を、あなたは知らず知らずのうちに身につけてしまいます。それに加えてその文章を丸写しすれば、その著書の表現力がさらに身についてきます。
これは、ただ漫然と現代文の問題を解くより、ずっと効果があります。でもその効果は、あなたがその作家や、その著書に対して、どれだけ惚れているかによって違ってきます。これはつまるところ、文章表現というものは、その根源は人の情感であるということです。その情とか思いというものが、文章を書き、何かを表現するときの、根源的な力になっているということです。
(私の父が画家だと前にお話ししましたが、画家を志す人は、偉大な画家の絵を模写(真似て書くこと)をするそうです。これは画家の卵が必ずたどる道だそうです。)