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小論文 (EU) 12

050ここまで、EUの問題点を指摘してきました。最後にもっと深刻な問題についてお話します。今回述べることはEUだけの問題ではなく、日本も含めた世界全体の深刻な問題です。

まずは財政均衡化の誤謬です。財政均衡化という言葉を知っていますか。適切な税収と適切な支出、適切な債務(借金)と債権のことです。プライマリーバランスとも言います。たとえば一般家庭ならば、家計簿の会計が赤字になって破産しないように、収入と支出を適正にすることです。EC経済中心のドイツがこのプライマリーバランスにこだわり、EU諸国に緊縮財政を強要しています。インフレを恐れて国債の発行量を制限させているのです。(一般家庭は通貨を発行できませんが、EU諸国はECBが通貨ユーロを発行することができます。)

ドイツは世界大戦直後ハイパーインフレに苦しみました。紙幣でいっぱいになった荷車を引いている人の写真を掲載している歴史の教科書を、使っていた人がいるのではないでしょうか。荷車いっぱいの紙幣でもわずかな食料しか買えないほどのインフレだったのです。このことがドイツ人のトラウマになっていて、均衡ある財政を求めるのです。財政の均衡化はドイツでは憲法に記載されているくらいです。

前にも述べましたが、自国通貨建ての国債を自国通貨を刷って償還することは簡単です。ただインフレ率に注意すればいいのです。通貨供給量が過剰になると、インフレになります。しかしインフレに過敏になりすぎて、EUの経済を握るドイツは、EU全体に緊縮財政を強要しています。日本もそうですが、EUもデフレ基調にあります。なのに緊縮財政を求めているのです。デフレとは総需要不足です。デフレの時期こそ国債を発行して、政府が需要を作らないといけないのです。ドイツを筆頭に、EUも日本も財政均衡化の罠にはまっています。

追伸 10個のみかんがあって100円あれば、1個10円です。しかしみかんの数が同じで110円あれば、みかん一個が11円になります。単純に計算すると、通貨の量が増えれば、物の値段が上がるのです。すなわちこれがインフレです。

 

 

 

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