金融政策に関しては、EU各国に主権がないことのデメリットはまだあります。どこの国でも景気が悪くなると、政府がお金を使います。不況時は需要不足なので、公共事業を増やしたり、減税したりして、需要を作り消費や設備投資を刺激する政策をします。そのため財政出動します。ようするに政府がお金を使うのです。
そのお金には税金があてられるのですが、不況時は税収も低く、お金が足りません。そこで国債を発行する(政府が借金をする)ことになります。ここでまたEUの縛りにあいます。EUの憲法で、加盟国の国債の発行率が決められています。GDPに対する借金の割合が決まっているのです。
先のブログで、ギリシャなど負け組国は財政危機にあると述べましたが、そのような国はもうすでに国債を発行しすぎて、これ以上発行する余地がありません。また国債も自国通貨建てではなく、ユーロ建てです。自国通貨建ての国債なら返還することは簡単です。通貨を刷ればいいからです。主権国家はすべて通貨発行権があります。しかしEU加盟国は、金融政策を欧州中央銀行(ECB)にあずけているため、独自に通貨を発行することができません。したがって国債の償還(政府の借金の返済)が、容易ではないのです。
国債を政府が償還する(借金を返す)ときに、その国の中央銀行が国債を買うことができます。日本なら日銀が国債を買います。日銀は円を発行できるからです。したがって円建て国債の日本では、国債のデフォルトはありえません。ちょっと話がそれますが、日銀は毎年70兆ほどの国債を買っています。財務省の宣伝によって、日本の借金は大変だと、国民は洗脳させられていますが、これは増税したい財務省の陰謀です。自国建ての国債は、日銀が買えばそれでなくなってしまいます。事実日本の国債は、日銀が買うことによって減少しています。これも一切報道されません。日本の借金(政府の借金)は減少しているのです。