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小論文 5 (EU)

058前回では、EUは経済的理由だけでなく、安全保障の側面から統合が進んでいった、というお話をしました。なので小論文のテストで、安全保障の面を強調すると、オリジナル性が出て、高得点が狙えるだろうということでしたね。そこで今回は、今のEUが抱える諸々の問題点について述べていきます。

ユーロは、経済的統合をおし進めるために、国によって違っていた法律や制度を統一しました。無駄を省き、経済的ロスを少なくするためです。労働者の域内での自由な移動や、関税の撤廃など、様々な制度を共通化しました。小さなことで言えば、電気プラグのコンセントの企画の統一があります。EU統合前は、国ごとに電気プラグのコンセントが違っていました。電気器具を持って域内を移動するときには、複数のコンセントを持ち歩かなければならなかったのです。

これらの域内での様々な制度や法律、企画の統一は、EU全体に大きな経済的メリットをもたらしました。統一通過ユーロの導入は、その象徴と言えます。統一通貨のおかげで、域内の企業は、為替リスクを心配せずに自由に貿易ができます。またEU設立同時の人口は約3億(現在5億)でしたが、その人口のスケールメリットも経済にはプラスになっています。

EUはいわば一つの国のように、経済分野を統一したことによって、EU全体の経済は成長しました。しかし高い成長率を維持する国と、そうでない国との格差が生じています。一番の成長国はドイツです。今のところ、ドイツの一人勝ちという状態が続いています。ギリシャは負け組み国の一つです。ギリシャ政府は債務危機(政府のデフォルト、破産)に陥っています。ギリシャだけでなく、ポルトガルやスペイン、イタリアまでもが財政の危機を抱えています。またスペインの失業率は26パーセントです。実に4人に1人が失業している状態です。しかもスペインの若者の失業率が、60パーセントに達しているのは深刻な問題です。この数字を見ただけで、負け組み国の経済状態が、どれだけひどいか想像できると思います。

 

 

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