１９５２年、アメリカ人女性、３４才のフローレンス・チャドウィックは、太平洋のタリナ島から、サンディエゴまで泳いで渡る世界最初の女性になるために、 泳ぎ始めました。その日は伴走するボートすら見えないくらい、濃い霧がかかっていました。でもフローレンスは、その中を必死に泳ぎ続けました。当時その様子は全米にテレビ中継され、多くのアメリカ人が、応援していまいた。

母親とコーチは伴走するボートに乗り込んで、大声で励まし続けまし た。『がんばって、フローレンス。あなたならできる、もうすぐよ！』、と、ゴールが近づくにつれて、霧がますます濃くなっていきました。周囲は声援の限り つくしましたが、彼女はゴールまであと数百メートルのところで、力尽きボートに引き上げてもらうよう頼んだのです。

数時間後の記者会見で、彼女は、『言い訳するわけではありませんが、対岸が見えていたら、泳ぎきることができたでしょう。』、と言いました。

達 成できなかった理由は、長距離を泳いだ疲労でもなく、海水の冷たさでもありませんでした。対岸というゴールが見えなかったことが、達成できなかった原因だったのです。２か月後、フローレンスは再び挑戦しました。その日も前回と同じように、濃い霧が出ていました。しかし、今度は以前とちがったことが一つあ りました。彼女の心の中にははっきりとしたゴールを描いていたのです。そして彼女は今度は見事に泳ぎ切りました。

あなたが、勉強の計画を達成しようとするとき、そこには必ず障害が発生します。時間的な問題、人間関係的な問題、肉体的な問題、能力の問題、その他考えられない色々な障害が降ってくることがあります。

しかし、ゴールが明確に見えてさえいいれば、あなたは障害を乗り越えることができるかもしれません。才能がない、やる気が出ない、うまくいかないのは、実はやる気や才能の問題ではなく、ゴールが明確でないからかもしれません。

明確なゴールとは、どこの大学や高校に入りたいのか、その学校で何をしたいのか、どんな学生や生徒になりたいのか、もっともっと明確に、具体的に、はっきりイメージすることです。そうすれば、達成が近づいてきます。