「ピグマリオン効果」、というものを知っていますか。期待をされた人ほどその通りの結果を出せるということです。１９６０年代、アメリカの心理学者であるローゼンタールという人が、ある学校の小学生の中から無作為に数名の生徒を選びました。そして「この子たちは成績が伸びる」と、根拠のない情報を教師に与えました。それを信じた教師たちが、その子たちを、期待をこめて指導したところ、本当にその子たちの成績がどんどん伸びていったそうです。

私も塾では、やる気のある生徒は、無限にどこまでも成績が伸びると信じています。だからやる気を出すことが一番なのですが、やる気を出すには、自分はできると信じることです。なのでいつも生徒には、君は頭がいいから、もっと上を目指せると言っています。

そこでそのときストッパーになるのが、本人の自分を信じることができない心なのです。それはもちろんその本人が作るものですが、周りの影響を強く受けます。それが、「ピグマリオン効果」、というわけです。

周囲の影響の中で一番大きいのは、なんと言っても両親の姿勢です。親が子供をどう見ているかです。親が子供にどういう声をかけるかです。学校の先生も周囲の友達も近所の人も、お子さんを見る目は冷静です。ある意味冷たいです。また学校の先生は冷静でなければならないところもあります。そこでお子さんの可能性をどこまでも信じてあげれるのは、ご両親しかいないのです。

親御さんでもどちらかと言えば、父親は冷静に子供を見る立場にあります。そこでお母様の役割です。お母様こそがお子さんの可能性を無条件に信じてあげてほしいのです。「末は博士か大臣か」、という言葉があります。親は「親バカ」、と言われるくらいが、ちょうどいいのではないかと思います。お母様にお願いします。