先日、中学受験をする息子さんがいる、私の友人から聞きましたが、小学生の夏休みの宿題は、直接本人はやらないで、そのほとんどを、両親かだれか別の人にしてもらっている人が、多いそうです。中学受験を予定しているお子様に対して、宿題を有料で請け負ってくれる業者まであるらしいです。宿題のアウトソーシングです。もちろん表には出ていないとのことでした。その私の友人の息子さんは、今小学校5年生なのですが、いつも夏休みの課題研究は、お父さんが手伝っていて、小学生の息子さんが研究発表しているというより、お父さんが研究発表していると言ってもいいぐらいでした。また小学校のほうで、その研究発表が優秀だとみなされると、地区大会まで行ってそこで発表し、順位を競いますが、そこではまさに、子供の大会というより、まるで親の大会だと、友人は言っています。
とくに中学受験は、両親がどれだけ子供にかかわれるかで、合否が大きく変わります。なので受験とは直接結びつかない宿題は、両親がたくさん手伝うことになるのでしょう。うちの塾には小学生はいませんが、中高生も受験にあまり結びつかない宿題や、今はもっと別の勉強が必要だというときに、宿題に時間が奪われるのは、困りものです。
東京都のどこの中学でも、毎年出される、『税金の作文』、はやっかいです。中学校によっては、『税の作文』の内容が、まったく内申点にもカウントされません。たしか原稿用紙3枚以上が条件だったと思いますが、作文の苦手な中学生は、それだけで何時間もかかってしまいます。そんな作文に時間をかけるのは、あまりに効率が悪いです。なのでうちの塾の場合は、作文は私が直接口頭で言って書いてもらっています。とくに高校受験がひかえている、中学3年生にはそうしています。時間がもったいないです。
このほかにも、実力をつける意味では、効率が悪い宿題がたくさんあります。高校受験の場合は内申点が大事なので、宿題を提出しないいわけにはいきませんが、高校生は大学受験で推薦入試を狙っているのではない限り、宿題を切り捨ててしまうくらいの大胆さがあってもいいと思います。
宿題のアウトソーシング、ニーズがあるから、意味があるからこそ、そんな業者が存在するのでしょうね。