ひきつづき、スポーツの効用、その脳生理学的根拠です。
3) やる気を喚起する。運動をすると、脳の『線条体』という部位の活動が盛んになります。『線条体』とは、やる気を引き出す脳の部分だそうです。なにもしないより、少し体を動かしたほうが、勉強のやる気も出てくるし、集中力も増します。みなさんも経験があると思います。
以上がスポーツが脳に与えるメリットの科学的根拠です。なので部活をすることは、大いにメリットがあります。このほか、脳の働きとは直接関係はありませんが、部活での人間関係、特に先輩や後輩たちとの縦の人間関係を学ぶことは、価値があります。部活も1人でするものではないように、社会に出て働くにも、色んな年齢の人と交わらねばなりません。そのためにも、部活動で学べることがたくさんあります。また部活でできた人間関係や友人が、その後人生でかけがえのないものになることもあります。私も中学のときの部活の友人は、今でも親友です。
ただしあまりに厳しい部活に入ると、家に帰ってから疲れてほとんど勉強できなくなる生徒が多いのも事実です。塾で生徒の勉強を見ている私の立場から言えば、そのあたりの兼ね合いは難しいところですね。実際部活で疲れて、せっかく塾に来ているのに、眠たくて勉強にならないことがよくあります。それでも家にいるよりまだ塾に来たほうが、少しは勉強できるから、来ないより来た方がよいのですが。
お子さんが興味のが持てる、やりたいというスポーツの部活に入るのが、理想ですが、お母様は部活の練習日数などをよく調べて、過度に厳しい部活を避けるように、うまく導いてあげることも大切かもしれませんね。部活の顧問の先生がやる気満々で、たとえば地区大会上位を目指していたりして、生徒の勉強のことなど考えていないではないかと、思われることがよくあります。先生も無責任なものです。とくに3年になってから、内申点がつく大事な時期に、大会がせまっているために、練習日が多く、疲れて勉強ができないようではしかたありません。うちの塾でもよくあることです。特にそういうとき、チームスポーツだと、一人だけ勝手な行動をとることができません。そのあたりの、3年生になってからのこともよく考えて、お母様はお子さんを導いてあげてください。