来春新中学１年生になる予定のお母様から相談がありました。今は７月、中学入学はまだ半年以上先のことで、かなり気の早い話ですが、お母様は真剣でした。

『うちの子は、そんなに器用な子でないし体力もないので、クラブ活動で勉強がおろそかになってしまわないか、心配している。できれば部活はしてほしくない。』、とのことでした。

そこで私は、『スポーツは体を鍛えるだけでなく、脳も鍛えるので、部活に入るのをお勧めします。』、と答えました。もちろんまだこれから中学１年生だから、というのもあります。

『ためしてガッテン』や『クローズアップ現代』でよく解説をされている、脳科学者の篠原菊利教授も、『運動と脳はとても密接な関係にある』、とおっしゃっています。そこで今回は、運動が脳にもたらすメリットの話をしたいと思います。メリットを３つ紹介します。

１）　スポーツは記憶力もよくします。　有酸素運動や筋力トレーニングをすることによって、脳の神経細胞が増加するという実験結果が出ているそうです。とくに記憶に関係のある脳の『海馬』という部位の、神経細胞が増加するそうです。

『海馬』は、アルツハイマー病における最初の病変部位です。加齢とともに、海馬の機能が低下してきますが、その予防に運動がいいそうです。このことは子どものも言えることで、スポーツで海馬を鍛えると、記憶力がアップするそうです。

２）　ストレスに強くなる。スポーツをすると、気持ちを安定させる物質を分分泌する、『GABA』と呼ばれる神経系が、発達します。気持ちの安定が保てるようになれば、ストレスにも強くなるし、心が安定すると、勉強にも集中できますね。

試合を重ねるうちに緊張にも強くなったり、自分で緊張をほぐす方法を身につけることができるようになります。これは入試本番で力を発揮することになります。