挨拶が心を清める効果があるとするならば、部屋を掃除したり、近所の清掃を少しすることも、心を清める効果があります。なので、それが勉強のモチベーションを支えてくれるのです。
私はかつて若いころ、座禅に興味があり、あるお寺で座禅の指導してもらったことがあります。座禅がうまくいくと、無の境地になれるというので、一度それを体験したいと、あこがれていたのです。ところが座禅の才能のない私は、ただ目をつぶってじっと座っていても、瞑想してるというより、妄想してるという感じでした。次々に色んな想いが浮かんできて、その邪念にとらわれてしまうのです。よくいう明鏡止水の境地とは、ほど遠い感じでした。あこがれの無の境地になるなどとは、およびもつかないこでした。
そこでそのとを、お寺の和尚に相談したところ、何か作務をしなさいというアドバイスでした。作務とはお寺の境内を掃き清めたり、ご本尊の仏像やそのまわりをきれいに掃除することです。それにどんな意味があるのかは、最初はよく理解できませんでしたが、和尚の言うように境内を箒をもって掃き清めました。するとどうでしょう、その後の座禅が、なんともいえず気持ちいいのです。まだ無になって、なにも想いがうかばないというほどではありませんが、作務をする前と比べて、明らかな進歩を感しました。
和尚に言わせると、お寺のお手伝いをしたお礼として、私が禅定がすすむように、仏様が手をかしてくれるからだそうです。ちょっとオカルト的な説明ですが、それを私流に解釈すると、ちょっといいことしたという気持ちによって、潜在意識がすこしきれいになったのだと思います。そのことで、座禅がすすんだのでしょう。
掃除をしたり、挨拶をしたりして、周囲によいことをすれば、本人が気づいていなくても、それが本人に返ってきて、心が軽くなり、ものごとがはかどるようになるのでしょう。このことを、徳を積むというそうですが、徳が高いと、勉強もはかどるのでしょうね。あなたも、このようなことをきっかけにして、勉強の倦怠感からの脱出を、試みてみてはでうでしょうか。