先日、高校３年生から、英単語の覚え方について相談を受けました。

どの高校でも、有名大学に進学した先輩の合格体験を聞く会を開があります。おもに勉強の方法や、受験についての心構えについて話してくれる会です。先輩のアドバイスは現役生にとっては、同じ高校の先輩でもあり、地頭のレベルも同じくらいだろうという思いもあり、大変親しみやすく受け入れやすいものです。

その 「先輩の合格体験記を聞く会」で、英単語の覚え方についてアドバイスがあったようです。大学受験はまず英単語から、と言っていいくらい英単語をマスターすることは、大学受験生にとっての最初のくぐらなくてならない関門です。先輩のアドバイスによる覚え方というのが、「英単語帳の、英単語と日本語を交互にすばやく見ること」　だそうです。そうしてどんどん一冊の英単語集を最後までやり終えて、また最初から１回目と同じように見るそうです。そういうサイクルを何度か繰り返せば、英単語を自然に覚えることができるそうです。

「パッ、パッ、パッ、」　とすばやく英語と日本語を繰り返し見るこのやり方は、とにかく時間をかけないで、すばやく見ていくことがポイントで、見る時間が短いがゆえに、集中して記憶に残るのだそうです。

しかしこの現役生は、このやり方で何度挑戦しても、英単語が記憶に残らないと言っていました。　「私は頭が悪いのだろうか」　と悩んでいました。かつて私のまわりにも、これと同じようなやり方で英単語を記憶している人がいました。その人は大学に入ってからも、家庭教師をしていて、このやり方を生徒に教えることをモットーとしていました。その彼が言うには、だれでもこのやり方で覚えられるはずだ、しかし何度教えてもできない生徒がいると言っていました。

私もこのやり方で英単語を覚えることはしませんでした。おそらくちょっとしたコツがあって、それが飲み込めればだれでもこのやり方で、英単語を覚えることができるのかもしれません。しかしほとんどの人は最初からこのやり方を実践するのは無理があります。

気をつけなければならないのは、人によって覚え方も違うし、もともと能力が高い人のやり方をまねても、うまくいかずこけてしまうとがあるというこです。早稲田に入って驚いたのですが、英単語をそれだけ取り出して特別覚えたことがないという学生が、たくさんいたことです。彼らに言わせれば、英単語だけ取り出して覚えようとするから、英語の実力がつかないだそうです。その真偽は別として、そのくらい人の能力には差があり、それによって勉強の方法も違うので、いい大学に合格している先輩のいうことだからといって、真に受けるとやけどをするということです。

この塾生には、地道に普通の方法で英単語を覚えることようにと、私はアドバイスしました。