森林の作業と勉強 2/3
山の作業で一番おもしろいのが、間伐の作業です。また一番危険な作業の一つも、間伐作業です。まあスリルがあって危険だから、おもしろいのです。間伐とは森林の間引きと考えてもらっていいです。森林材は適度に間伐をしないと、建築材として使用できません。間伐をしないと、ほ とんどの木が細くひょろひょろと高くなるだけで、製材しても利用できる材料にならないのです。お金にならないということです。ある程度の太さがないと、材料がとれないからです。だから間伐は林業では、欠かすことのできない作業なのです。
建築の資材として利用される木材は、おもに檜や杉です。大東亜戦争の空襲で、日本中の家屋の多くが焼失してしまいました。そこで家屋を再建するため、戦争が終わった直後は、木材の需要が爆発的に拡大し、たくさんの杉や檜が植林されました。日本国中の雑木林をつぶして、そこに杉や檜を植えたのです。 それが年月を経て、今頃いい具合の大きさに成長しています。しかしその木を切り出して、木材にするには、今では採算が合わなくなっています。そのため日本中の山が、手入れをしていない杉や檜の林になってしまっているのです。日本じゅうのほとんどの山が手入れされず、放置されたままになって、荒れほうだいです。いわゆる花粉症の流行もこのことが原因です。
林業は今の日本では採算が合いません。たくさんの公的扶助をうけて、やっとこさやっていける状態です。その原因は色々ありますが、それを話出すときりがないので、今回ここでは書かないことにします。主たる原因は人件費の高騰ではありません。人件費が日本と変わらないヨーロッパでは、林業はきちんと採算がとれています。
でもだから私のような素人でも、ボランティアとして間伐のような危険なプロの仕事をやらせてもらえるのです。