私の父がもし、硫黄島に行っていれば、私がこの世に存在しなかったかもしれません。そういう理由もあって、この硫黄島の話しをするのですが、このことは、すべての日本人にもあてはまると思います。硫黄島で玉砕した日本人は、ただの一人として自分の利益を追求して戦ったのではありません。日本にいる家族のため、日本人全体のために戦ったのです。あなた達の祖父の世代の方たちが、がんばったおかげで、我々の今の生活があることを忘れてはいけません。今学校で勉強できるのも、恋をするのも、世界基準よりずっと豊かな生活が享受できるのも、私達の先輩の、それこそ文字通り命をかけた、がんばりがあったことを忘れてはいけません。
歴史を学ぶということは、このような我々の民族や先輩の航跡を、たどることでもあります。そして我々が今存在していることの意味を確かめるこでもあるのです。学校では近代史現代史は、あまり詳しく学びませんが、ほんとうは歴史の中で一番大事な部分だと思います。
受験で近現代史の問題に出る問題は、まだまだ、日本悪玉論の域を出ていないと思います。まだ大東亜戦争の敗戦によって、連合国側から押し付けられた歴史感から、脱却できていません。歴史にもしあなたが興味があり、進学して歴史をもっと学びたいと思っているなら、あなたの手で、この日本の歴史を、まっすぐ正しい方向に書き換えてください。そしてそれを世界に向けて発信してください。そうしてくだされば、私は大変うれしく思います。あなたが歴史に興味を持ち、歴史を勉強したいなら、あなたが世界の歴史を、まっすぐな方向に書き換える力の一翼を、になってほしいと思います。そして私達の先輩、特に、あなた達の祖父母世代の名誉(日本の世界史の中での名誉)を、回復する力となってくれることを、私は切に期待しています。もちろん私も微力ながら、がんばるつもりです。