学習を長期で考える、いつも私が気をつけていること 2
小テストも中間期末試験も、実力テストも、みんな入学試験で点数が取れるためにあるのです。だから極端な話、入学試験で高得点が取れるなら、それ までの試験が零点であっても、関係ありません。合格には、本番の試験の点数で決まるのですから。(都立高入試では、内申点が合格の評価に影響するので、小 テストや中間期末試験も関係あります。)
よく高校では、英単語の小テストがあります。そのたびに生徒は、一生懸命英単語を覚えます。テストで点数がとれるように、がんばります。ところが小テストが終わって、一週間もすれば、もう30パーセントも覚えていません。高校生のあなた、英単語の試験が終わって、一週間して、どれだけの英単語を、まだ覚えているでしょうか。テストしてみてください。たぶん、もうほとんど忘れてしまっているでしょう。
それでは、なんのために苦労して覚えたのか、よくわかりません。あなたは、大学入試のために、がんばって英単語を覚えたのでしょう。だから一度覚えたものを、忘れないようにしなければいけません。少なくとも入学試験までは、覚えておかなくてはなりません。忘れてしまえばもう一度、覚えなおさなければなりません。これは英単語のテストだけではありません。
もし仮にあなたが中学生で、理科の電気、オームの法則を勉強していたとします。小テストがあって、それは学校の先生が、期末試験のために実施する小テストかもしれません。しかしあなたは、それが高校入試では、どのように出題されているか見ておく必要があります。そこまで意識して勉強しておくと、忘れないし、知識が生きたもの、受験に役立つものとして定着します。しかし中学生が、そこまで意識して勉強に取り組むことは、難しいと私は思います。だからそのためにこそ、塾の先生の役割があるのです。
中学の勉強は、決して高校入試のためだけではありません。中学での定期試験の勉強も、小テストの勉強も、大学入試を射程に入れたものでなければなりません。今の勉強が大学入試に役に立つのか、どうなのかということを、意識しておくのと、意識しないのとでは、あとあと大きな違いとなってあらわれてきます。
いつも私はこのコーナーで、余計な勉強をしないようにと言っています。これはとくに高校生に言いたいのですが、入学試験に関係のない科目は、はっきり言ってやっても無駄です。ちょっと言いすぎかもしれませんが、それは趣味の範疇です。
また、同じ英語の勉強でも、将来につながる英語の勉強と、つながらない英語の勉強があります。あるいは、将来につながる勉強のやり方、つながらない勉強のやり方があると言った方が、適切かもしれせん。そのあたりを正確に見抜いて、より意味のある勉強に、導いていくのが私の仕事です。
つづく