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教職員の待遇が、教育に反映する(受験校選択のヒント) その4 桜ノ宮高校の事件

046その中華料理屋にいた後輩は、3~4人ぐらいでしたが、みんな185センチぐらいの背丈があり、どう見てもバレーかバスケの選手でした。わたしが受けた彼らの印象は、高校のクラブ部員というよりプロの選手という感じでした。落ち着きすぎていて、悪く言えば高校生らしくなく、サラリーマン化しているような印 象でした。

バスケの試合でいい結果を出せば、それによって大学の推薦が決まるそうです。このため自殺した生徒は、本人自らチームのキャプ テンに立候補していたそうです。それで試合の結果もよければ、大学の推薦をもらえるのでしょう。顧問の先生も全国レベルのチームの監督をして、結果を出さなければいけないというプレッシャーを受けていたそうです。また生徒の家庭からの期待も大きかったらしいです。

本来高校のクラブ活動は、学業が中心でその余暇でするものです。学業もクラブ活動も教育の一環としてあるはずです。偏差値の高い大学に入るために高校生活があるのでもないし、また クラブ活動で全国制覇をするために、高校生活があるのでもありません。学業やクラブ活動、その他のものも含めて、それらを手段として使い、人間形成をするためにあるはずです。試合に勝つことだけが目的ではなく、それを通じて生徒が成長し、人格を形成するというのが教育本来の目的のはずです。手段と目的を混 同してしまっています。

高校の偏差値を上げたい、スポーツで有名校にしたいというのが行き過ぎると、本来の教育がおろそかになり、結果としてこんな不幸な事件になってしまうのです。マスコミ報道によれば、体罰の行き過ぎだけを事件の原因にしています。体罰を全肯定するわけではありませんが、問題の解決策を体罰にしぼってしまうのは間違っています。大学側も含めた、こういう高校スポーツのありかたに問題があるのではないでしょうか。クラブ 活動そのものが、大学入試の手段になってしまっているという、その構造そのもに問題があると思います。

私の母校だけに、話が熱くなってし まいました。受験生のみなさん、この機会に、このようなことにも目をやってくださるとうれしいです。ちなみに桜の宮高校は、卒業生にオリンピックのメダリ ストや、プロ野球の選手など、多くの各会で活躍する人材を輩出しています。卒業生の結束も強く、卒業生はみんな母校のことをほめちぎります。(おわり)

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