受験を成功させるのに、お母様ができることは少ないと考えておられるのではないでしょうか。もしそうなら、その考えを今ここできっぱり棄ててください。塾や家庭教師より親であるあなたの役割の方がずっと重要です。親の役割は、メンタルの部分です。どんなにいい塾に通わせても、どんないい先生に教わっても、親からのサポートがしっかりしていないと、実力もつかず、受験も成功しません。以前このブログで、受験日前後、何日間か、母親が夜に家にいないことで、気持ちが不安定になってしまった受験生の話を書きました。大学受験ですから、親が直接子供の勉強を見てあげることはできません。受験校の選択でも、専門的な見地が必要です。だからと言って、親がそばにいなくてもいいというわけではありません。うちの塾では、こんな時は、長々と本人の話を聞いてあげたりして、できる限りのフォローをしましたが、親の役割をそのまま肩代わりすることはできないのです。母親は夜に家にいるだけで、あるいは母親が料理を作ってくれるだけで、子供の精神は安定するのです。

私が本人に与える言葉の影響と、お母さんが与える影響と、どちらが大きいか考えて見てください。当然親ですよね。仮にですが、もしお母様がなにか世の中に対してすごくよいことをして、あるいは、もし仕事が大成功したなら、だれに報告したいですか。だれに一 番喜んでほしいでしょうか。それはきっと、お母様の親御さんですよね。私もそうです、もし私が大成功すれば、一番報告したいのが私の両親です。ほかのだれよりも両親に喜んでほしいです。

子供にとってはなんと言っても、親の影響が一番強いのです。私がどんなにフォローしても、親のひとことでだいなしになってしまいます。成績が芳しくない子が、成績を少し上げたとき、たとえば、いつも２０点代だった生徒が、３０点代をとってきた時、その生徒にとっては、１０点あげるのにかなりの努力が必要 だったのです。せっかく私がよくがんばったとほめているのに、親にとっては不満で、

「あんた、なんでこんなにできないの」　「うちの子、あたまわるいから」　　これでは、せっかく私がほめて、やる気を出していたのにぶち壊しです。

お母様は、できないことをせめるのではなくて、できたことを、褒めてあげてください。子供は親から褒められると、これでいいんだと安心して、勉強に対する意 欲がわくのです。子供が前向きに勉強に取り組めるようにしてあげるのが、母親の役目です。塾でも私はメンタル面もフォローしますが、主役はお母様です。よ ろしくお願いします。