お母様は 「うちの子、ちゃんと勉強しているのかしら」、「こんなんで、将来どうなってしまうのかしら」、と不安になって、「なにしてんの、勉強しなさい、勉強しなさい」と、つい口に出して言いたくなります。それもしつこく言ってしまいます。勉強しなければならないことは、お子様もよくわかっているはずです。そこはグットこらえてください。思い出してみてください。お母様が子供だった時のことを。ご両親から 「勉強しなさい」、と言われて、「うるさい、今しようと思っていたのに」、とか思って、反発しませんでしたか。いずれにしろ、口うるさく言うことは、プラス面よりマイナス面の方が大きいです。それより、愛情のこもった、あたたかい栄養のバランスが整った、おいしい食事を作ってあげてください。コンビニの弁当など、栄養面で問題のある食事ばかりをとっていると、体調を崩すだけでなく、精神も安定しないという研究結果が、ずいぶん前から栄養学会で、報告されています。受験は精神力、体力ともに激しく消耗します。数値としての栄養面も重要ですが、器械では測れない愛情の数値は、もっと重要だと私は思います。
またうちの塾生の話を持ち出して恐縮ですが、受験期にお母様が家庭にいないことのよって、気持ちが不安定になっている生徒がいました。「先生、お母さんが、家にいないんですよ」、とつらそうに私に訴えていました。私はとりあえずそのことを、親御さんに伝えました。彼は大学受験生で、入学試験が2週間ほど連続します。せめてその間だけでもお母様が家にいると、それだけで彼の精神は安定したと思います。ちなみに彼は、模擬の試験結果よりずっと下の大学しか、合格しなかったので、浪人することになりました。お母様の不在が失敗の原因かどうかはわかりませんが、気持ちが安定していなかったのは事実です。それぞれ家庭の事情があるでしょうが、せめて入学試験の間だけでも、家で暖かく見まもっていてあげてほしいものです。
受験は、体力も精神力も、ともに激しく消耗します。お母様や御家族の精神的なささえは、大変重要です。